「時代」の作り方
「時代」という不思議なメディアの存在を教えてもらったのは知り合いのデザイナーからだった。一見、新聞紙だ。しかし、大判のページを開くと写真、絵、書そして日中二カ国語の文章が渾然一体となって渦巻いている。そこには巷にあふれる小洒落たZineには見られない活力とざわめきがある。
ざっと読んだ(見た)ところでは媒体についての明確な説明もなく、クレジットされている作り手のこともよく分からない。またこの印刷物は無料であるが特定の配付場所(日本のみならず東アジア全域に広がる)か、発行者から直接購読することでしか入手できないという。
にもかかわらず、あるいはそれゆえに、「時代」にはすべてに答えが用意されている現代感覚では捉えられない魅力がある。これはどのような出版物なのか? 同紙の主宰者である写真家の富澤大輔、デザイナーの浅田農の両氏に聞いた。
写真提供:富澤大輔、編集協力:田端宏章
●ある写真家とデザイナーの出会い
――浅田さんと富澤さんが、最初に出会った経緯をお聞かせください。
浅田 2018年に「1_WALL」(*1)のファイナリストの作品をウェブサイトで見ていたときに、たった1枚の写真だったんですけど富澤さんの作品を見て、「なんかすごく良い」って思ったんです。年齢も一つ違いだったこともあって気になった。
同じころ、この「時代」でもご一緒している「うらあやか」さんというアーティストが対馬の芸術祭に参加することになって、うらさん経由でそのポスターの依頼が来たんです。芸術祭とはいえ、どなたかの作品を使ったビジュアルにしないといけないという縛りもなくデザインの自由度が高かったので、だったら富澤さんの作品を使いたいと思い、仕事の依頼として連絡を取ったのが最初です。「島か海の写真ってありますか?」って(笑)。
富澤さんが台湾に行く直前だったから、そのときはメールのやりとりだけで写真を送ってもらい、デザインを確認してもらったりして。その仕事が終わり富澤さんが東京へ帰ってから、暑い夏の日の冷房の壊れた神保町の喫茶店で初めて会いました。そのとき富澤さんがリュックから手作りの写真集、当時6冊くらいあったのかな、それを喫茶店のテーブルに積みあげたんです。「自分で作ったんです」って。その瞬間にもう良かった。内容がどうこうとかを飛ばして、その山積みになった本たちの佇まい、行為そのものがとにかく良かった。
富澤 写真集というものが好きで、自分で出力して製本したり段ボールのような身の回りの資材をカバーに使ったりして作っていたんですよ。写真より、むしろ本が好きかもしれないですね(笑)。文章は書けないから、だったら写真集を作ろうと。もちろん写真もすごく好きですけど。このとき浅田さんと「写真集を一緒に作れたら嬉しいですね」という話になって、その後いろいろ一緒にやるようになったんです。
浅田 二人とも本が好きというのが重要でした。富澤さんも写真家然としてなくて、“写真”より“カメラという機械”が好きだし。
――富澤さんが専門的に写真を撮るようになったのはいつ頃からなんでしょうか。
富澤 専門的にはつい昨日というか、明日というか(笑)。学校は写真科ではないし、周りの人が写真をやっていることもなかったので、ここまであまり自覚を持たずに来てしまいました。もともと道具やメカニックなものが好きだったんです。実家が楽器工房もやっていて職人さんの仕事を目の当たりにしていたので、その影響もあると思います。父は私が小学生のときに亡くなったんですが、その形見の一つにカメラがあったので中学生から撮影はしていました。
――浅田さんが感じた富澤さんの写真の面白さは?
浅田 うーん。フィルムで撮った日常的な写真というジャンルの作品は山ほどありますが、だからこそ「なにかが違う」っていうのを瞬間的に、鮮明に感じたのかもしれません。富澤さんが作品をまとめるときのコンセプトとかは、そんなに気にならなくて、写真の絵そのものが単純に個人的な好みにとてもはまったんです。いまだに、それを何て言っていいのかは分からないんですけど。
●本にするために写真を撮るということ
――二人による写真集づくりはどのように始まったんでしょうか。
浅田 自分が印刷物まわりのデザインをしていたファッションブランドのルックブックの撮影に富澤さんを紹介したり、何度か会って過去の作品を見せてもらったり、台湾の家族の話、富澤さんのこれまでの話なんかを聞いている中で、実際に写真集を作ろうということになりました。
富澤 ちょうど僕が大学院を休学してロシアと東欧を半年くらいかけて回る旅に出る直前だったので、その間に撮影した写真と、通訳として取材に同行した中国と台湾で撮った写真で一作目の写真集『GALAPA』(2019年)を作りました。続けて出したのが、『Peer Gynt(ペールギュント)』(2019年)と『新乗宇宙』(2020年)。前者は2018年のクリスマスから正月にかけてノルウェーで居候していた、あるご家庭の娘さん、女の子を撮った写真集です。後者は2020年の中華民国総統選挙の台湾を撮影したものです。
浅田 写真集というか、より広く本というものには、いわゆる起承転結のような構造やパターンがあることが多いですよね。でも、富澤さんの作品ではそういう感覚じゃないものを作りたいと思ったんです。富澤さんの写真の良さの話にも繋がりますけど、ただとりとめのない日常みたいなものが淡々と続いていくことの気持ちよさと心もとなさというか……。
——写真集のテーマやコンセプトはどう考えていますか。また既存の写真集の文脈やマーケットは意識しましたか。
浅田 コンセプトっぽいものを考えながら始めはするし、拠り所になるような言葉とか雰囲気が作っている過程で見つかってきたりしますけど、別に言葉にして言いたいことがあるわけではないですね。良いコンセプト、良い写真、良いデザイン以前に、まず「良い本を作りたい」というのがつねに二人の共通の場所になっていると思います。文脈をまったく意識しないというのは不可能ですが、出来上がったマーケットや評価軸を考えて作るのは自分たちにはできないし……そういうことにかまわずに遊びにいくから面白い、っていう気分です。
――先だって最新の写真集『字』が刊行されたばかりですね。
富澤 ちょっと前に台湾の実家から、たぶん僕が小学2、3年生のときに書いた「字」という書が出てきたんです。「今年の一文字」というお題に対して、「今年こそ字をきれいに書く」という目標を込めて書いたものだったと思います。この字に何か引っかかるものがあったので浅田さんに見せたら、「このタイトルで写真集やりましょう」、と。そこから写真を撮り始めて一冊にまとめたんです。
浅田 まず、「字」っていうタイトルが決まって、文字ってなんだろうとか、言葉で括られにくい写真というのはたぶん何も、あるいは何かが写っていない写真ではないかとか、いろいろ考えが巡っていきました。この時期に見た富澤さんが撮った写真に、森や空が写っているけれども、それらが「森」や「空」という字に置き換えられる前の時代を生きた人が見ていた風景のような、ある独特の原初的な感覚があるものがあったんです。その妙な浮遊感のある雰囲気の写真だけをひたすらに集めて束にして、「字」というタイトルを乗せたら面白い本になるんじゃないか……と。
富澤 写真集が目的のトップにあるっていったら変ですけど、まず写真集が中心にあって、本にすることを目的に写真を撮っているんです。展示をやる場合も写真集のコンセプトを空間に展開するという考え方ですね。
●「時代」はなぜ始まったのか
――写真集作りの一方で、「時代」はどのように始まったのでしょうか。
富澤 『新乗宇宙』を出したあと既刊もまだ在庫が大量にあったので、関西圏で本を担いで書店に飛び込み営業をして回ったんです。そのときに、「そもそもお前誰だ? どこから来たんだ?」って、さんざん言われまして、人に自分の活動をもっと知ってもらうことの必要性を痛感しました。そんなときに駅前でティッシュ配りの人を見たんですよ。それに触発されて、東京に帰って中華料理屋で報告会みたいなことをしたとき、浅田さんに「チラシを配ったり、どこかで連載したい」って相談したんです。
浅田 連載の相談をされてもこちらも何もできないし、富澤さん、連載なんてムリムリって(笑)。
富澤 そうだよね……どこも載せてくれないよね……、じゃあ、何か配るもの作って、そこで連載して配っちゃえば話は早い。日本語と中国語のバイリンガルでやれば14億4千万人くらいが読者対象になるから、数百部くらいすぐになくなるぞ、やった~~!って(笑)。そんなに甘くなかったんですけど(笑)。
――「時代」の内容は写真だけではなく、ドローイング、書、小説など多彩です。編集方針について教えてください。
浅田 やはりここでも「面白い紙」を作りたいということが一番にあります。無料配布を基本にするとしても、写真作品だけというのはちょっと違うんでは、と二人で話していました。だったら、富澤さんの人脈で声をかけていって、いままで見たことのない混ざり方が生まれたら面白いのではないか。書道なんてふだん見る機会がないだろうし、評論よりも小説があったほうが面白いんじゃないか、思考実験のメモのようなページがあってもいいとか。だいたいのことはその場で決まりました。
富澤 なにか一つのテーマがあってみんながそれについて話すというより、みんながそれぞれの話を話せたらいいと思っています。それが雑誌じゃなくて新聞にしたかった理由でもあります。
浅田 雑誌のように毎回編集して要素を練られるとも思えなかったですしね。だから、各連載のコンセプトもそれぞれの作家にすべて任せています。全体に共通して何かいえるとすれば、そもそも自分たち自身がこうして依頼して出来上がった新作を見たいし、人にも見てほしい、そういうものを集めた。そして、その各作家と繋がりを持っている富澤さんの根本的な性格みたいなものが、その中心にはあるということ。まず第1期全6号をやってみて、第2期にはまた違った表情の紙面になりながら続けられるようにしたいと考えています。
──体裁や配付方法についてはどう決めましたか。
浅田 体裁については、写真集作りではなかなかできないサイズの大きな紙で、さらに無料配布。そして一人ひと見開きで収めていくのが、毎号続けるにあたっても連載を頼む人数のうえでもやりやすいだろうということから、新聞サイズ8ページとしました。
富澤 駅前で見たティッシュ配りの人が出発点でしたので、紙でというのは最初から決めていました。できるだけ誰かの記憶にとどめるためにはウェブ媒体だとちょっと弱い。また、書店などに定期的に成果物を持って顔を出し、僕と僕の活動を知ってもらおうという下心もありました(笑)。そして何より印刷物が好きというのがありましたので、ウェブは自ずと選択肢から外れました。
ただ、紙媒体にすることで発行部数も限られてしまいますし、配布先を増やすほど送料も馬鹿にならない額になってしまうジレンマもあります。なので、僕たちの活動を面白がってくれるお店や施設を優先しつつ、メンバーの今後の活動展開を考慮した場所選びをしました。これからも徐々に増やしたいと思っていますが、予算がネックです(笑)。
●自分たちが見たいもの、読みたいものを
――寄稿者はどのように決まったのでしょうか。
富澤 小説と書を載せることはすぐ決まりました。「黄粱地図」という架空の地名にまつわる小説を書いた中国出身の韓梅梅にはふだん翻訳などをお願いしていたのですが、『新乗宇宙』のときに寄稿を頼んだらおとぎ話のような短編を書いてきたんです。彼女にとって初めての小説だったそうですが面白かったので、引き続きやってもらいました。僕も読みたいし、この人もこういう場がないと書かないだろうし。
書の連載「道」の作者は台湾人の柯輝煌で大学経由の知人です。いまは東京大学の博士課程で台湾と朝鮮半島の植民地美術史、とくに第二次大戦後に中華民国になる以前の台湾の書について研究しています。柯くんは専業書家ではないけど、修行経験もあって実際の書も達者なんです。
浅田 最初は「道」っていう題名しか聞いてなくて、あがってきたものは二つの道についての話でした。
富澤 創刊号の記事では「忠孝」と「仁愛」という書と、この言葉の出典についてのテキストで構成されています。ちょっと解説すると、「忠孝」と「仁愛」というのは台湾のどこにでもある道の名前なんです。日本統治時代やそれ以前は別の名前だったんですが、第二次大戦後に蒋介石の国民党政権が道の名前を「三民主義」(*2)の中の言葉や中国の地名からとって改称していったんです。そういうさまざまな歴史的な経緯も含めた「道」にまつわる連載です。
浅田 自分は先ほどのうらあやかさんと「犬古表」というユニットで「箱に見る霧の方法」という企画を掲載しています。パフォーマンス作品を制作することの多いうらさんの思考をきっかけに共同で終着点の見えない対話を重ね、ダイヤグラムといっていいのか、その対話をビジュアライズして出てくるものを見てみたい、そう考えて始めた企画です。おもに体、時間、空間、地図……そういった話です。うらさんとのやりとりを重ねながらデザインしていると、いままで無自覚に触れていた記号や文字が自明ではなくなって、原初的なサインや、知らなかった感覚器官のようなものが生成されていくのがショックで、ものすごく面白いですね。
富澤 表紙画は畑中咲輝さんという陶芸家のドローイングです。畑中さんも以前からの知り合いで、とても面白い焼き物をする作家なんです。彼女は焼き物を作る前にコンセプトスケッチのようなドローイングをいっぱい描くらしいんです。焼き物もそうだけど、そのドローイングも面白そうだと前々から思っていました。
●「時代」のデザインとこれからの動き
――紙面デザインについてはいかがですか。小説がグリッド的な構造のうえに二カ国語で自在に組まれていたり、書とテキスト、ストリートビュー写真が一緒に構成されていたり、かなり自由です。
浅田 1ページ1ページで見逃せない紙面にすること、そして日本語と中国語を並列かつ均等にすることは、最初から決めていました。あとは、上がってきたそれぞれの原稿、作品を自分なりに解釈してデザインしています。表紙ならドローイング作品に自分の書き文字や富澤さんが作ったハンコを絡ませたり、小説なら地図、地点を意識した設計にしたり。
富澤 浅田さんとやることになったとき、親友から「デザイナーには絶対口出しするなよ。モチはモチ屋なんだから」って釘をさされたんです。なので、とくにありません(笑)。最初はフォーマットさえ作ってしまえば、あとは流し込むだけだと安易に思っていたんですよ。
浅田 でも、流し込んでるだけだと見逃せないページは作れないし、なにより自分たちが飽きてしまいます。「流し込むだけでいい」と思っていたのが間違いだったことには、2号を作り始めてすぐに気づきました。毎号、絶対に前号よりもいいものにしないといけないな、と。
――「時代」への読者や作家からのレスポンスはいかがでしょうか。
浅田 一冊の本と違ってとにかく軽いし、無料だから気軽に渡せるので、知り合いに会うときによく配っています。すると大きくページをめくりながら全体を見ようと顔から遠ざけたり、細かいところを読もうと目を近づけたり、頭の上に大きなハテナを浮かべながらも、この紙の正体を探ろうとするんですよ。それが一通り済むとパタパタと折りたたんでカバンにしまう。新聞紙だからか変に気を遣わず、いい意味で雑に扱ってくれるのが本当に嬉しいですね。
また、特定のジャンルについての媒体ではないからか、思いがけない人がご存じだったり、定期購読を申し込んでくださったりしています。知り合いや友人に見せたいからとまとまった部数を引き取って配ってくれる人もいて、この体裁ならではの届き方が生まれているのが面白いです。寄稿者も「時代」でしかできないことを存分に楽しんでくれているんじゃないかなと思います。
――2021年8月に第1号が刊行され、当初の予定では2カ月に1号、全6号で一期完結とのことです。これからのご予定を教えてください。
富澤 「時代」については恥ずかしながらようやく3月に第2号が出来上がり、各方面に発送しているところです。「たった8ページでみんな原稿くれるんだから大丈夫、大丈夫」っていっていたら、全然できませんでした。当初の見通しが甘かったとしかいいようがないのですが、テンションを落とさずに継続していく予定です。いま、第3号の全員分の原稿が揃うところなので、できればこの夏に第3号を出したいと思っています。
「時代」もそうですけど、最近は自分の写真集だけでなくて他の作家の企画にも取り組み始めたので、かたちだけでも出版社みたいにしようということで、「南方書局」を立ち上げました。次の写真集にも取り組み始めていて、「幽霊のお散歩」がテーマになる予定です。
――本日はありがとうございました。
富澤大輔 とみざわ・だいすけ
1993年生まれ。高雄市左營区出身。写真家。南方書局。
https://ttoottoo82.wixsite.com/tomizawa
Twitter: @HsuehDafy
Instagram: @tomizawa93
浅田農 あさだ・みのり
1992年生まれ。神奈川県出身。グラフィックデザイナー。明津設計(あきつ・せっけい)名義も使用。
http://asdmnr.com/
Twitter: @asdmnr
Instagram: @asdmnr
註
*1:リクルートホールディングスが運営する東京・銀座のギャラリー「ガーディアン・ガーデン」が主催する公募展。グラフィック、写真の2部門で構成される。
*2:1906年に孫文が発表した中国革命の基本理論であり、またのちにまとめられて出版された理論書。中国国民党の基本綱領として採用され、中華民国憲法にその趣旨が記載されている。
公開:2022/07/1
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